無意識下で引き起こされるクレーム

お客様はどこを見ているのか

クレーム応対研修のご依頼をいただき、責任者の方のお話を伺っていると、お客様から「接客態度が悪い」というクレームがあったというケースが非常に多くあります。接客態度を改善しているのに、同じ内容のクレームが度々寄せられるというのです。

このようなクレームを頂いた場合、多くの企業はすぐに接客時の担当者に対し、その時の状況を確認し、再発防止のための対策を取ろうとします。

お客様と担当者で食い違うクレームの内容

ところが、お客様からのクレーム内容と接客をした担当者の言っていることが食い違うことがあり、そこで困ってしまうのです。

例えば、お客様からは「挨拶の時の感じが悪かった」とのクレームがあったが、担当者に確認すると、「ちゃんと挨拶をしました」と言っているような場合です。

さらに担当者の実際の挨拶を確認してみると、笑顔も出ているし、声も出ている。お辞儀もできている。すべて問題なくできています。ではなぜ挨拶の時の感じが悪かったとのクレームになるのでしょうか?

どちらかが嘘をついているのでしょうか?

クレームの内容の食い違いはなぜ起こるのか

実はそうではありません。原因はお客様と企業とでは見ているところが違うからなのです。

クレーム応対でほとんどの方が気づいていませんが、お客様が見ているのは、本人が意識している部分ではなく無意識のうちにしている行動だからです。

ポイントは、本人が意識している部分ではなく無意識のうちにしている行動です。

この点を理解せずに、企業側は見える部分、意識する部分だけを強化してクレームを防ごうとするため、根本的な解決ができないままとなるのです。

クレームは無意識下で起こる

つまり、クレームは無意識下で起こるのです。

担当者が意識的に「いらっしゃいませ」とお辞儀をし、挨拶をしている部分は、お客様にとっても意識しているのがわかり、当たり前の部分なのであまり見ていません。実は、見ているのは「いらっしゃいませ」と言ってお辞儀をした後、頭を上げた瞬間にする、首を振って前髪を払う行為、または、前髪を手でかき上げたりする行為なのです。

つまり本人が無意識(癖)でしている行為を見ているのです。

その他にも、意識的に行っている笑顔がふっと真顔になった瞬間や、無意識で目線が下から上に見上げる行為など、心当たりはありませんか?お客様は、まさにその部分をキャッチして不快感を感じてそれがクレームとなるのです。

無意識下で引き起こされるクレームのまとめ

従って、特に接客上級者の方は自分の無意識の癖を再確認し、ぜひ、「無意識を意識下におく」ことを念頭においてお客様応対をなさってみてください。クレームの数はグッと減るはずです。


本記事は、株式会社アイビーエーの「クレーム応対研修(基礎・応用・発展)」の内容をもとに紹介しています。

<オンライン研修あります>

株式会社アイビーエーでは企業向けのオンライン研修「クレーム応対研修(基礎・応用・発展)」をご用意しています。1人からでも受講でき全国どこからでも受講できます。 企業研修のご案内のダウンロード

お客様はどこを見ているのか